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ライムスター宇多丸の女子限定!お悩み相談室

あの日本ヒップホップ界の重鎮が女子部JAPAN(・v・)のWebサイトに登場。TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」やTOKYO MX「バラいろダンディ」、AbemaTV「ライムスター宇多丸の水曜The NIGHT」でもおなじみのライムスター・宇多丸さんによる、女子のためだけの「お悩み相談」。好評連載中です!



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コラム
【ライムスター宇多丸のお悩み相談137】たとえ友達でも「男は狼!」と疑ってかかるべきなのでしょうか?

【今週のお悩み】
単刀直入なのですが「男友達」というのは、常にあわよくばを狙っているものなのでしょうか? 私は現在大学生で彼氏がいます。しかし先日、割と仲の良い男友達に誘われ、飲みに行きました。2時間くらい飲んだ後、その男友達の部屋に誘われ、話足りないなーと思った事もあり家に行ってしまいました。特に何もなく普通に宅飲みをして帰ってきたのですが、なんとも言えない罪悪感が残っています。やはり彼氏 がいる場合、異性の部屋に行くのは不貞に当たるのでしょうか? たとえ友達でも男は狼!と疑ってかかるべきなのでしょうか? よくある事なのでしょうが、その男友達との関係について悩んでいます。よろしくお願いします。
(いおり・20歳・長野県)




宇多丸:いやいやいや、ちょっと待ってよ……。


いおりさんは、別に騙されてとか、超強引に押しきられてとかじゃなくて、完全に自分の意志で彼の部屋に行ってるんでしょ?
で、特に何事もなく普通に飲んで帰ってきたってことは、その男友達も、いおりさんになにか性的なモーションをかけてきたとか、そういうことはまったくしてないわけだよね?


なのに、なんでいきなり「男友達というのは、常にあわよくばを狙っているものなのでしょうか」なんて話になっちゃうわけ?
「たとえ友達でも男は狼!と疑ってかかるべきなのでしょうか」って、そいつはなんもしてないのに(笑)。


百歩譲って、ひょっとしたら部屋に誘った時点で、彼のなかによこしまな気持ちが一瞬よぎった、っていうような可能性も、そりゃあゼロではないかもしれないけどさ。
だとしたらなおさら、それでも当然のように欲望を理性で抑え込んで平静を保つっていうことがちゃんとできてるんだから、むしろ、「男は狼!……とは限らない」ってことの、まさに証明になるような事例であり人物だ、ってくらいの話だと思うんだけど。


つまり、事実上、問題になるようなことはなにひとつ起こってないのに、いおりさんのなかには、なにかモヤモヤするものが残っちゃってもいると。




こばなみ:いおりさんが何に悩んでいるのかがよくわからなくなってきました。




宇多丸:たしかなのは、少なくともこのケースの場合、そのモヤモヤを、なんの罪もない男友達や、まして「結局男は~」みたいな一般論に還元しようとしても意味ないし、筋違いだろってことですね。


たぶん、真のポイントは、「彼氏がいる場合、異性の部屋に行くのは不貞に当たるのでしょうか」ってほうなんだよね。


無論本来は、「友達の部屋に行く」こと自体は、「不貞」ではないはずですよね。
実際、お互いホントに友人同士としか見てなくて、後ろ暗さも心底皆無だから、それこそそれぞれのパートナーに「◯◯の部屋でサシで宅飲みしてきた~」とかも普通に報告してますよ、くらいの関係性も、当たり前にあると思うんですよ。


でも、おそらくだけどいおりさんは、今回の、男友達の部屋で二人きりで飲んだって件を、彼氏には話せない、話すのは気まずいと思ってるでしょ?
実際にはなにも起こってないのにそう思うということは、そもそもいおりさん自身が、男友達相手であろうと、その状況自体をフラットには捉えていない、むしろ性的なニュアンスやリスクを強く感じてる、ってことの証明じゃん?


で、それはそれで当然、理解できる話なんですよ。
今回の男友達に関しては、結果いい人というか、友情に値する相手ということが改めてわかったんだから良かったじゃんって思うけど、人によっては、同じよう なシチュエーションに置かれると「狼」化してしまうという危険性も、残念ながらやっぱり、ゼロとはとても言い難いのが現実ですよね。
いや、「狼」って言葉から連想されるほど強引にとか暴力的にってことじゃなくても……そこはかとない「ソノ気」感を発散させてジリジリ迫ってくる、なんてことはまぁ、よくある話として考えられなくはないわけで。


念のため言っておくと、たとえ友人同士だろうと、相手に性的魅力を感じてしまうことだって全然あり得るだろうし、それ自体が悪ってわけじゃないだろ、とは思うんですよね。思われた側が「キモっ!」となるのもまた仕方ないとしても……。
悪いのはあくまで、「相手の意志に反したことを無理にしようとすること」なんだからさ。ひとまとめに「狼」扱いされがちな側としては、そこんとこはっきり一線を引いてくださいよ、とは言いたくなる。


ただ、今回のいおりさんは、彼がそうやって友人関係を越えて性的なアプローチをかけてくる可能性を、実のところある程度は考慮に入れながら、それでもなお、自分の意志で彼の部屋に行ってるわけでしょう?
結局なんも起こんなかったわけだけど、その手前の時点で「よこしまな気持ちが一瞬よぎった」のは、実はいおりさんのほうだったんじゃないの?って感じがちょっとしちゃうんですけどね。


自分のなかに思ってもみなかったような「不貞」の種子を見つけてしまって、その「なんとも言えない罪悪感」をどうしていいかわからない、というのが、今回のモヤモヤの本質なんじゃないのかなーと。
だからやっぱり、人のせいにしてる場合じゃないよ!(笑)




こばなみ:頭のなかでぐるんぐるんしてるんでしょうね。
女子部員さんからもこんな経験談や意見がありました。


「なんもなかったわけだし、狙ってるなんて思うのは変では? 私は二人きりでいても120%なんも起きない10年来の男友達がいるんですけど、本当に友達って感じなので、不貞とかそんなこと考えたこともなかったですー!」(ちゃぷ)


「いまはアラフォーなのでそんなことはないですが、大学生くらいのときは、男友達と二人で飲みに行ってチューしちゃったり、ありました(照)。その頃はお互い盛りのついた猿みたいだったので(笑) 」(momo)


「彼氏には絶対にこのことを言わないほうがよいと思います。自分が言われたら嫌じゃないですか? 家に行くのはやりすぎ」(ココナッツ)


ちなみに、宇多丸さんがいおりさんの彼だとして、このこと知ったらどう思いますか?




宇多丸:僕はやっぱり基本『If You Love Somebody Set Them Free』 であるべきだと考えてるし、さっき言ったように、異性だろうがなんだろうがホントになんの後ろ暗さもないフラットな友人関係、というのは全然普通にあると 思ってるので……もし、いおりさんがその件をまったく屈託なく話してくれて、僕も心から「ああ、本当にいいお友達同士なんだな」と思えるならば、特に問題なく「話し足りないってくらい楽しい時間を過ごせて良かったね!」ってだけのことですけども。


でも、いおりさん、あからさまに後ろ暗さビンビンだからな~!(笑)
こんなテンションなんだったら、いっそのこと完全に内緒にしてもらったほうが嬉しいですよ。
いつも言ってるけど、バレないようにするのも礼儀のうちだよ!


もちろん、前もその話出たけど、異性とのサシ飲み自体許せない!って人も、少なからずいるでしょうしね。


かく言う僕も、今回のこれは事後的な話だけど、たとえば事前に「男友達の部屋でサシ飲みに誘われたんだけどどうしよう?」的に聞かれたとしたら、「その人、大丈夫なの?」っていう心配はかなりするかもしれない。
付き合いが長かったりして、友達同士としての関係性が固まりきってる、そこを壊すようなことは100%しないと言いきれるような相手ならいいけど……。
そうじゃなくて、まだ実は関係がそれほど固まりきってないような段階なのだとしたら、前述したようなリスクに加えて、相手や周囲の人間に誤解を与える余地 も大幅に高まってしまうのは確実だから、少なくとも二人きりになるのは、正直ちょっと避けてほしいかも……的なことは、一応言うかもしれない。
ま、それでも行きたい!って場合は、そもそも事前に彼氏に了承取るなんてこともしないでしょうしね(笑)。


なんにせよ、いおりさんもさ、自分のなかの「よこしまな気持ち」と、もうちょい上手く折り合いをつけたほうがいいのは間違いないと思いますね。
実際にエロいことしたわけじゃなくとも、男友達の部屋で二人っきりで飲んで、ちょっとだけ浮ついた気分になってしまった自分、っていうのにモヤっちゃってるのかもしれないけど……人間だもの! そんなときもあるよ!
若いんだし、いずれは今回の件どころじゃなく、誰かとうっかりコトに及んでしまうようなタイミングも訪れるかもしれないけど、彼氏が大事なら、死んでもバレないようにすればいいだけの話!
一番ダメなのは、罪悪感に苛まれるあまりバレバレな態度を取って、結果彼氏を不用意に傷つけることになってしまう、みたいなことですよ。


こういう、自分のなかの欲望とどう向き合っていくか、という件は、この連載をやっていてもちょいちょい浮上する、女の人たちにとってのひとつの課題なのかな、という気がちょっとしてきますね。


整理すると、


●まず、その男友達はせっかくいい人だったんだから、十把一絡げな「男は狼」論に落とし込むのはやめてあげてください(笑)


●その上で、一般的には、密室でアルコールを大量に摂取した男女が二人きり、というシチュエーションから生じ得るリスクというのも残念ながらたしかにあるので、こちらのソノ気がまったくないときは、気をつけたほうがいいのは事実


● 逆に、その手の心配が一切必要ないような、友人としての関係が完璧に安定している相手のときは、中途半端な後ろ暗さに引っ張られることも別にないのでは (ただし、パートナーの恋愛観次第でその許容度も当然変わってくるので、いずれにせよそれなりの配慮は絶対に必要でもある)


●一方、こちらにも実は多少浮ついた気分がなくもない、というような場合は……自己責任&守秘義務という原則さえ守れていれば、ときには適度に発散してもいいんじゃない?


……という感じですかね。




こばなみ:スッキリしました! そして欲望とどう向き合っていくのかは……、恋愛に限らず本当に課題ですね。




【今週のお絵描き】


画・都恋堂



[プロフィール]
ライムスター・宇多丸/日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパーにして、2007年にTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」(毎週土曜日22:00~24:00)が始まるや、ラジオパーソナリティとしてもブレイク中。ほかTOKYO MX「バラいろダンディ」(毎週水曜日21:00~21:55)などさまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。http://www.rhymester.jp/


※キャリア通算10枚目のアルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』発売中!


※ ラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の特集コーナー「サタデーナイト・ラボ」で大反響を巻き起こした、伝説の特集シリーズを完全書籍化。爆笑できてタメになる、音楽の再発見と探求の書『R&B馬鹿リリック大行進 〜本当はウットリできない海外R&B歌詞の世界〜』がスモール出版より絶賛発売中!(税別2,200円)。購入はこちら





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