Catevory
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

【熊本】#16 女性スタッフが家族経営スタイルでベビーリーフを生産・販売している「みっちゃん工房」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、熊本県でベビーリーフの生産と販売を行っている「みっちゃん工房」の光永カオリさんに聞きました。

パッケージデザインから商品の提案まで、すべてスタッフみんなで!

「みっちゃん工房」は、スタッフ18人、すべて女性です。21歳から77歳まで、独身ウキウキ世代、子育て真っ只中世代、子育て卒業世代とさまざまな人が働いています。

生産されたベビーリーフは、九州の量販店を中心に関西の生協や関東の量販店でも販売されています。
パッケージデザインを含め、すべての商品の提案はスタッフで行っているんです。お客さまへ、おいしくて便利でおしゃれな商品をお届けできるよう、顧客目線での商品づくりを心がけています。

そのためにスーパーなどに出向き、お客さまへ商品の食べ方をご提案したり、ブログでのレシピ紹介も実施。みっちゃん工房へ視察に来たお客さまに、私たちが抱えている問題点を伝え、改善点を一緒に考えてもらうこともあります。
その成果が実ったのか、2017年には「農業の未来をつくる女性活躍経営体100選(WAP100)」に選ばれました!

5年前からは、ベトナム人技能実習生を受け入れています。
実習生に「少しでも日本を理解して好きになってもらいたい」という思いで、毎年、研修旅行を実施しています。旅行先は、京都、東京、沖縄。
おかげで、彼女たちの見聞も広がったようです。

実習生たちには、自動車免許も取得してもらいました! もちろん、業務で必要があるからですが、免許を取ったおかげで行動範囲が広がり、休日は会社の車を借りてドライブを楽しんでいる様子。
まだ20代前半の彼女たちには、日本で素敵な青春を送ってほしいですね。

実家の農家がスイカからベビーリーフ栽培へ、転機が重なって今のスタイルへ

「家族経営」というのは、とても素晴らしい経営スタイルだと私は思っています。それは、誰かが病気になっても、妊娠しても、何か用事があっても、残りの家族でそれを補い合って働いていける。とても融通が利く働き方です。

我が家は代々続く農家で、両親、祖父母で家族経営をしていました。熊本県はスイカの産地。私の家族もスイカを生産していたんです。
みんなで働き、みんなで子育てをし、食事時になると父と祖父が残業して、母と祖母が料理などの家事をしていました。

しかし私が27歳のときに、母と祖父が立て続けに亡くなったんです。
祖母も年老いていて、父ひとりではスイカの生産が難しくなりました。そんな矢先に、東京の会社からベビーリーフ栽培の誘いが! ベビーリーフはスイカに比べて軽量ですし、初心者でも栽培しやすいのが特徴です。

当時OLをしていた私は、父から一緒にベビーリーフづくりをしないかと誘われました。最初は困惑しましたが、独身で恋人もいない、仕事に対してもやりがいを感じていない……このままでいるよりは、父と何かをはじめたほうがよいと思い、ベビーリーフ栽培をスタートしました。

私が就農してから、管理栄養士をしていた姉と看護師をしていた妹も追って就農。みんなで一丸となってはじめたものの最初の5年は大変でした。

ベビーリーフは軽量とはいえ、オフィスワークをしていた私には仕事がきつく、経営もなかなか軌道にのりません。おかげで休みなく、朝早くから夜遅くまで働きました。
しかも、それまで家事で私たちを支えてくれていた祖母の介護も必要になり、仕事と介護で身も心も休まる暇がない状況。

そんなときに、自分たちの作るベビーリーフのよさを再認識できたことが転機になりました。
仕事と介護を両立させるために、祖母へ用意した料理ができあいのコロッケになる日もあったのですが、コロッケの横にベビーリーフを盛り付けるだけで、とてもおしゃれ。葉も柔らかいので、祖母も喜んで食べてくれました。
しかもベビーリーフは、キャベツなどに比べると栄養価が高い。食べ物に添えるだけで、おいしくて簡単に栄養が摂れるので、働きながら家事をする人にとって、とても便利だと感じたんです!

この気づきから私は、「おいしくて栄養があって食卓が楽しくなるような商品を、毎日忙しい人たちへお届けしたい!」と強く思うようになりました。その気持ちを抱きながら、スタッフと一緒にお客さまへ喜ばれる商品を考え、生産・販売していたところ、県内の大きな量販店から出荷の案内が! やっと経営が軌道に乗るようになりました。

経営規模が少しずつ拡大していくにつれて、スタッフの人数も増えていくように。
子育て世代を中心に、いろいろな世代のスタッフが働くようになったので、私は「家族経営の働き方」をそのまま、みっちゃん工房でも取り入れるようになりました。

つまり、きっちりとしたシフトを決めず、スタッフ同士が話し合い、お互いの都合をすり合わせながら、働き方を決める方法です。
我が家がそうだったように、妊娠や子育て、介護で忙しいスタッフの働き方を融通していく。一方で、比較的家庭での家事負担が少ないスタッフががんばる。そして、不公平にならないように、フルでがんばるスタッフには希望休を優先する。

働く女性はとてもまじめで一生懸命です。工房のスタッフも例外ではなく、仕事に真摯です。
勤務時間を終えたら慌ただしく家へ帰り、家事や子育てに追われます。
だから私たちは彼女たちの働きやすい場所を提供することが、何より会社のためになっていると思っているんです。彼女たちが仕事に働きやすさと愛着を持ってくれれば、よりよい商品が作れると感じていますから。

おかげで、働く主婦目線で考えた商品は、量販店のバイヤーへの説得力を増しています。スタッフの女性たちが考えた商品で、工房は少しずつ成長している最中です!

丁寧に育てて手摘みしたベビーリーフで、お客さまに豊かな毎日を届けていきたい!

ベビーリーフはほとんどの会社が機械で収穫します。しかし、みっちゃん工房では葉の一つひとつを人の手で収穫。ベビーリーフの葉はとても柔らかいので、大事に丁寧に摘んでいくんです。

また、通常はひとつの種から2度、3度収穫をするのですが、工房では、ひとつの種から1度しか収穫をしません。
きれいで傷みのない、栄養価が高いベビーリーフにするためです。それもこれも、収穫したらお客さまへ少しでもいい商品をお届けしたいから。

この想いが届いたのか、最近、お客さまから「いつもお世話になっています」という言葉をいただける機会が増えました。その言葉は何よりも私たちの心に響きます。
大事につくった工房のベビーリーフをより多くのお客さまのもとへ届け、そして多くのお客さまが私たちの商品で生活を豊かなものにしてほしいと願っています。
だから、お客さまに寄り添う商品づくりはこれからもやっていきたいことです。

 

仕事に家庭に忙しい女性が、働きやすい環境づくりを!

昨今、働く女性が増えてきました。社会全体も女性の社会進出を後押ししています。
でも、やはり家事の中心は女性。子どもを産めるのも女性だけです。そしてその分、女性が社会に出るといろいろな負担が増えることにもなると思うんです。

だから、私は女性が働くためには男性の役割がとても大切になると思っています。男性の育休に限らず、女性が安心して妊娠、出産、子育てができる環境づくり、介護と仕事が両立できる環境づくりが必要です。
企業や男性が中心となって女性を守っていく社会になっていくことを目指して。みっちゃん工房も微力ながら、女性の働きやすい環境づくりを行っています。

働く女性は忙しい。けれど、同じ働く女性に対しては優しいはずです。味方であり、理解者であり、応援団長でもあります!

今、自分があくせく過ごしている日々は、5年後、10年後の「自分の経験」という名の宝になると思っています。つらいことや泣きたくなることも、家族や友だち、彼氏の笑顔、それだけで吹っ飛びます。
世界中の働く女性が毎日がんばっている姿を思うと、私もがんばらなければと身が引き締まります。
一緒に乗り切っていきましょう!

 

★好きな言葉★

食を豊かに 人を豊かに 社会を豊かに

毎日のテーブルが豊かになると、人も豊かになると思っていますし、人が豊かになると私たちが生きる社会が豊かになると思います。

 

熊本県でベビーリーフの生産・販売をしている「みっちゃん工房

熊本県益城町で阿蘇の伏流水を利用してベビーリーフなどのサラダ野菜を生産・販売しています。父、姉、妹とはじめた小さな会社です。ただいま18名のスタッフで切り盛りしています。
スタッフはみんな女性。お客さまへよりよい商品をお届けできるよう、そしてお客さまに寄り添える商品作りを念頭に毎日精進しています。

Instagram @michan_kobo
YouTube「みっちゃんねる ベビーリーフ」

のぼり坂47では、全国各地で活躍する女性・団体を募集中! 応募方法など詳しくはこちら

share
page top