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【東京】#20 災害時の課題解決へ、ゆるやかにつながる「女性防災ネットワーク・東京」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、災害時に社会的弱者が直面する課題解決のためのネットワークづくりを行う「女性防災ネットワーク・東京」の代表呼びかけ人、浅野幸子さんに聞きました。新型コロナウイルスのパンデミックが起きている今、知っておきたいヒントもあるのでぜひお読みください。

今つながっておくことで、災害時に声を挙げられるように

私たち女性防災ネットワーク・東京は、男女共同参画や多様性の視点で防災活動をしてきた有志が「呼びかけ人」として集まった、ネットワーク型の団体です。メンバー制をとらず、呼びかけ人という立場から学習交流会を不定期で開催し、仲間の輪を広げながら情報交換や問題提起を行っています。

2018年7月4日に開催したキックオフイベント

私たち呼びかけ人が講師となることもあれば、専門家の方に協力してもらったり、仲間としてつながった人に講師役や話題提供役をしてもらったり。首都直下型地震が起こることを前提に、東京で災害に強い社会をどうやってつくっていくかを女性からの視点、男女共同参画や多様性の視点から考えています。

災害時における女性たちの困難については、1995年に阪神淡路大震災が起きた際に、被災地で問題提起した女性たちがいましたが、十分に認識されることなく、長らく社会的に共有されずにきました。そして、2011年の東日本大震災後をきっかけに、ようやく避難所での厳しい状況や性暴力の問題などの実態が共有され、議論されるようになったんです。

ただ、まだまだ実態を知らない人も多く、国や自治体での議論や対策も万全ではありません。特に人口の多い東京では、災害が起きた後に対処をしようとしても、後手後手になってしまうでしょう。そこで、予め女性たちがつながって、声を挙げられるような状況をつくっておこうというのが、ネットワークづくりをはじめた大きな理由です。

 

非常時には、隠れていた課題が一気に吹き出してくる

2020年は、阪神淡路大震災から25年。当時私は大学4年生で、学生ボランティアとして現地入りし、そのままスタッフになり支援活動を行いました。その後、東京に戻ってから働きながら夜間大学院に通い、大学の非常勤講師に。2004年から本格的に女性の視点で防災について発信するようになりました。

災害時、女性視点や多様性の視点から見えてくる課題は、たくさんあります。

たとえば、乳幼児を育てる方、障がい者や介護が必要な方とその家族は、プライバシーや衛生面について特にケアする必要があります。

また、育児や介護用品、女性用品などの物資が十分に供給されなかったり、在宅避難者への物資の支援が十分でなかったりといった問題も出てくるでしょう。

東京都の防災イベントにブース出展。小児のための心肺蘇生法のトレーニングや食物アレルギーのお子さんの災害時の食についてレクチャー

災害時の性暴力の問題については、ずっと「そんなおおげさな……」と片付けられていたのですが、東日本大震災時に学術調査をして実態が明らかに。ようやく今は堂々と語れるようになりました。さらに、DVや虐待などの問題も。家族ケアの問題が非常時にどれだけ負担になるかということが軽視されているのが現状です。

非常時には、普段は隠れている問題や課題が一気に吹き出してきます。生活環境や救援物資の問題が解決されないと、心身ともに追い込まれていってしまうでしょう。国をはじめ市町村レベルで支援するための仕組みづくりが必要になります。

そして、これらは、新型コロナウィルスのパンデミックが起きている今、問題になっていることと重なる部分が多いんです。

 

新型コロナウイルスで見えた困りごとを、ちょっとでも良くしようという意識が大事

大規模災害時は、避難所などの住める場所や食事などがある程度提供されるので、貧困やDVなどの問題は見えにくくなっています。一方、新型コロナウィルのパンデミックが起きている今、それらは世界中で大きな問題になっていますよね。

海外には災害とジェンダーについて研究をしている人がたくさんいて、その第一人者の先生が言っているのは「災害が起きるとチャンスの窓が開くけど、すぐに閉じてしまう」ということ。

災害時は、課題が浮き彫りになることでそれを解決するチャンスとも捉えられるけど、その解決策は自然発生的にうまれてくるものでは決してありません。だからこそ、何が問題なのかを、そのときにしっかりと見ておき、少しでも変えていこうという気持ちを持つことが大事です。

今、新型コロナウィルスのパンデミックが起きていますが、何に困っているか、どこに問題があるかを一人ひとりが考えてみてください。たとえば、夫婦で家事の分担を見直してみるといった、ちょっとしたことでもいい。よりよくするために、現状を変える気持ちが大事だと思います。

世の中には、いろんな立場の女性がいます。それぞれ大変なことを常に抱えていますが、立場を超えて、想像力を働かせてつながっていきたいと、私はいつも思っています。

災害は、その国の女性がいかに生きづらく、厳しい状況に置かれているかを見えやすくしてくれます。つまり、災害を考えることは、これまでと違う社会をつくるきっかけになるはずです。女性に限らず、みんなで新しい世界を一緒に見にいきませんか?

女性防災ネットワーク・東京 代表呼びかけ人の浅野幸子さん

★好きな言葉★

「恐れを抱いて人生を生きる者は、人生の半分しか楽しめない」

映画「ダンシング・ヒーロー」(1992年、バズ・ラーマン監督)より。阪神・淡路大震災の被災地に飛び込んでから25年、常にいろいろなことに挑戦させていただく日々でした。若いころは恐れもあるけど、勢いもあって。そして、たとえ傷つくことがあっても、一歩踏み出せば、今度はさまざまな人に支えられて。そんな形で成長させていただきました。40代後半に入った今は、年齢に胡坐をかかないように、感謝の気持ちを忘れず、間違いを認めることも恐れずに、できることに精一杯取り組んでいければと思います。

 

男女共同参画や多様性の視点から防災を考える「女性防災ネットワーク・東京

男女共同参画・多様性の視点の防災を進めてきた有志が、多くの方たちといっしょに東京で防災・減災活動を進めたいとの思いから、立ち上げたネットワーク型の任意団体。学習交流会を不定期で開催し、仲間の輪を広げながら情報交換や問題的を行っている。

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