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【ライムスター宇多丸のお悩み相談室324】掃除をしたら友達や先輩に借りっぱなしのCD・DVD・漫画が出てきて、どうしよう? 自己嫌悪の真っ只中です……。

【今週のお悩み】

家にいる時間が増えたので大掃除をしたところ、なんと友達に借りっぱなしのCDやDVD、漫画などが出てきてしまいました!! さらには会社の先輩に借りたまま返していない資料も出てきてしまい!! 友達に借りたモノは返せばいいと思うのですが(久々に連絡するのが恥ずかしいですが)、ちなみにこの状況なので、郵送でいいと思いますか? 先輩は退職してしまったので、知り合いをたどっていけばなんとか連絡とれそうですが、そこまですべきなのか迷っています。そしてこんな自分が最低!! 現在、自己嫌悪の真っ只中です。お二人はこんなことないと思いますが、もしもご自身がやらかしちまったら、どう対応しますか? 情けない相談で本当にすみません。

(やっちまったよ人生は・38歳・神奈川県)

 

宇多丸:いつかは返さなきゃ返さなきゃと思いながら借りっぱになってるモノが、部屋の片付けしてたら後から後から出てきて……って、誰にとっても超あるあるな話だと思うんですよね。

僕も、自宅が「UTAYA」と呼ばれているくらいで(笑)、DVDやブルーレイを人に貸すことも多いんですけど、いちいち記録とかつけてないから、誰のとこに何があるか、すぐわからなくなっちゃう。

で、資料とかでホントに必要になったときは、まぁ貸し出し先は八割方番組スタッフとかなんで、「アレ、俺から借りっぱの人いますかー?」って呼びかけたりしてる。

もちろん逆に、人からずっと借りたまんまになってるモノも、たーくさんありますよ。

いま思いつく範囲だけでも、わりと気まずめなのが3件ほどある……。

 

こばなみ:私みたいな本の量も普通レベルの者でも、貸しっぱになってるモノもあるし、当然借りっぱになってるもんなんて、いくつもありますよ。社長にだいぶ前に借りた「熱闘!日本シリーズ1993ヤクルトVS西武」をまだ観てない、やべ返さなきと今思い出しました。思い出せないのも含めたら相当あると思いますよ。

 

 

宇多丸:こばなみ、古田選手の大ファンだったんだもんね!(笑)

まぁだから、たしかに褒められたことじゃないけど、誰にでも大なり小なり思い当たるところは必ずあるはずの、わりとよくある話ではありますよね。

むしろ、やっちまったよ人生はさんの、真摯な反省っぷりのほうがよっぽどレアですよ!

こんな自分に厳格な人いるんだ~!って、感心しちゃったくらい。

 

 

こばなみ:ちなみに、10年前とかから借りっぱになっていて、化石化しているモノをダンボールに入れて保管してるんですけど、どこまでとっておくんだろう?とは思っており。

 

 

宇多丸:それはやっぱり、借りた人との、現状の距離感次第じゃないですか。

想像してみるとさ、「借りっぱなしになってたこれ、遅くなりましたが返します!」って10年後でも言えるような相手とは、どれだけ直接会ってなくとも、事実上まだ「切れてない」関係なわけでしょう。

ある意味、返そうが返すまいがそこまで大差ない間柄というか。

逆に、気持ち的にあまりにも疎遠になっちゃってるような人には、そもそもそういうことを切りだすこと自体に、違和感が生じてしまう感じしない? 

向こうも「えっ、急になに? 怖いんだけど?」ってなりかねないし。

そこまで距離がすでにはっきりできてる感じなら、たとえばついにこっそり処分しちゃったとしても、おそらく両者、今さらなんの問題も起きようがない。

要はさ、こっちが先方との関係性を現状どう考えてるか次第、ということなのかもしれないですよね。

長いことぜんぜん会ってないし今後もたぶんなかなか顔を合わせる機会はないであろう人なのに、借りたままのモノがあることを思い出すたび心がざわつくというのは、自分のなかでその人が、今もそれなりに大事な位置を占めている、ということでもあるんじゃないか。

なにか借りっぱなしになってること自体が、その人とのかすかに残ったつながりでもある、みたいな。

つまり、そこを清算してしまうっていうのは、ひょっとしたら今度こそ、完全に縁が切れてしまう、ということなのかもしれない。

だから、もちろん借りたもんはしっかり返すべき、というのは大前提としても、お金の話じゃない限り、あんまりそこをガチガチに考えすぎなくてもいいんじゃないかなって気もするんです、僕は。

もともと人になにかモノを貸すって、その人となんらかの価値を共有したい、って気持ちがあるからやることなわけじゃん? 特にソフト的なモノは。

だったら極端な話、借りっぱっていうのも、その「シェアしてる」状態が続いてるだけで、言われたらすぐ返せるようちゃんと保管してるなら同じこと、という考え方もできると思うんですよね。

「あれ、借りっぱなしになっててごめん!」「あーいや、こっちもすっかり忘れてたわー。別にいつでもいいよー?」くらいのゆるいつながりって、僕は嫌いじゃないけどなー。

 

こばなみ:そういうことが言える、近しい関係性ってことですもんね。

 

 

 

宇多丸:実は互いにはっきり信頼があってこそのものだしね。

とにかく、借りたままのモノがある限りは、まったく会ってなくともご縁がまだゼロにはなってない、みたいなこの感じ、そこまで悪いもんでもないと思うんですよね。

なので、むしろきっちり縁を切りたい!からこそ一気に返却する、ってケースも多いんじゃないかな。

 

こばなみ:縁切りで思い出したんですけど、もう20年前くらいですが、写真学校の学生だったときに年上のカメラマンと付き合ってて、いろんな機材を貸してくれてたんですよ。で、いざお別れってときに彼から、返却リストとして「現像タンク×2」「リール×3」みたいな、わりと細かい指示がきたことを思い出しました。

怖い~!と思ったのと同時に、こんな細かいモノのも返さなきゃいけないの? ケチじゃない? とか思いながら家中を捜索したりしながら漏れなくチェックして箱詰めして送りました。あれこそ縁切り!恐怖!

 

宇多丸:やっぱりそういうパターンもあると。

事程左様に、貸し借りを一方的かつ一気に清算するというのは、場合によっては冷たく感じられてしまうこともある。

だから、あわてて送りつけたりする前に、その人との距離感をもう一度思い返してみたほうがいいかもしれないですね。

だいたいさ、ホントに絶対返してほしいモノなら、貸す側も最初に念を押すでしょ。

 

こばなみ:あれ読んだ? そろそろ返して、とかも言いますしね。

 

 

 

宇多丸:まぁ、借りっぱになってて一番気まずいのって、そういうカジュアルなやりとりもできないような、目上の人相手の場合とかだと思うんだけど。

でも、そこでの貸す側の心理を想像してみると、多少の太っ腹感は出したかったりするもんじゃん? 

「キミのためになると思って貸したんだから、持っててくれて構わんよ~」くらいのテンションでいてくれるはずですよ、たぶん。

ちなみにいま思い出したけど、松尾潔さんと番組で久しぶりにお会いしたときに、「実は佐々木さんにお返ししなきゃいけないモノがあって」って、20年以上前にまとめて貸した日本語ラップのCDアルバム30枚くらいを、ドサッとお持ちになられて。

僕は正直、貸したこと自体すっかり忘れていたんだけど、松尾さんは引っ越すたびに、後ろ暗い気持ちでそれが入った段ボールを持ち運ばれていたそうで。

「わ~懐かしい! 律儀にありがとうございます!」って盛り上がったし、そんなふうに旧交をあたためる的な効果も、場合によっては見込めるかも、ということですね。

なんにせよ、やっちまったよ人生はさんはちょっと、クソ真面目に気に病みすぎ!

貸し手がわかってるモノに関してはそのまま一応きちんと保管しといて、会うタイミングがあれば返す、そのとき忘れたなら謝ってまた次の機会に、くらいのことで別にいいんじゃない?

貸し借りなんてしょせん、そのくらいの適当な幅はハナから見越してのものなんだから、とでも考えてさ。

とは言え無論、すぐちゃんと返すのに越したことはないですが……。

 

こばなみ:「ちなみにこの状況なので、郵送でいいと思いますか?」ということですけど、こんな時期でもあるし、気になるなら様子伺いも含めて、連絡だけしてみるのはどうですか? 「掃除してたら借りてた○○が出てきて、どうしてるかなと思って」とか。それで、相手が返却を急いでいないなら、今度会ったときに持ってくよーみたいな話にするのも、未来の楽しみにつながるし、いいかもしれないですね。

 

 

【今週のお絵かき】

画・宇多丸

 

ライムスター・宇多丸/日本を代表するヒップホップグループ「RHYMESTER(ライムスター)」のラッパー。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」(毎週月曜日から金曜日18:00-21:00の生放送)をはじめ、TOKYO MX「バラいろダンディ」(毎週金曜日21:00~21:55)、AbemaTV「ライムスター宇多丸の水曜The NIGHT」(毎週水曜日24:00~26:00)、TBSラジオ・プレイステーション presents 「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」(毎週木曜21:00〜21:30)など、さまざまなメディアで切れたトークとマルチな知識で活躍中。http://www.rhymester.jp/

 

※結成31年(R31)配信シングル第1弾スチャダラパーからのライムスター『Forever Young』がリリース! 詳しくはこちら

 

女子部JAPAN(・v・)・こばなみ/2010年、iPhoneの使い方がわからなかった自身と世の中の女子に向けた簡単解説本「はじめまして。iPhone」を発行。それを機に「iPhone女子部」を結成。現在は部活型コミュニティ&メディア「女子部JAPAN(・v・)」として、スマホに限らず、⼥子が知りたいけど難しくて挑戦できないコトやモノを、みんなで一緒に体感するイベントやコンテンツを企画・実施。しがらみもマウンティングもない雰囲気が女子部の特長で、20〜70代の女子が参加しています! 新入部員も募集中(年齢不問、部費無料)。入部はこちら。ちなみにまぁまぁ最近、42歳になるちょい前に結婚しました。

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