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【山形】#41 好きからはじまる小さな起業を呼びかける「鶴岡ナリワイプロジェクト」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、小さなソーシャルビジネス=“ナリワイ”起業を呼びかける山形県の「鶴岡ナリワイプロジェクト」代表、井東敬子さんに活動について聞きました。

フツーの人100人の小さな一歩が大切。“ナリワイ”で人も地域も元気になる!

「鶴岡ナリワイプロジェクト」は、自分の好きと得意で、身近な小さな困りごとを解決するビジネス=“ナリワイ”をはじめることで、自分と地域の未来をつくるプロジェクトです。

プロジェクトのミッションは、自分の人生を他人任せにしないで、“ほしい未来”を自分でつくる人を増やすこと。地域では、スーパースター1人の100歩より、フツーの人100人の小さな1歩が大事だと考えています

現在は、大きく2つの活動を行っています。

1つめは、「ナリワイ起業講座」。

2015年から開催している、“ナリワイ”を始める人を増やすための講座です。私がファシリテーター兼講師となって、全5回のプログラムで小さなソーシャルビジネスの企画や事業計画などを行い、起業に向けて実践的に学んでいきます。これまで65名が卒業しました(2020年6月時点)。ショップ、コワーキングスペース、シェアキッチンなどの4つの拠点もでき、そこから賑わいが生まれています。

さらに、講座の卒業生の有志たちがつくった「ナリワイALLIANCE」が誕生。これは卒業後にもゆるやかにつながって、同じ志を持つ同士が学び助け合うことでナリワイを継続する、同盟のようなものです。

ナリワイ起業講座卒業生が立ち上げた、coworking kitchen karen 花蓮 

2つめは、全国ネットワーク「わたしごとJAPAN

「わたしごと」とは、自分が好きなこと・やりたいことを起点にした小さな仕事をはじめることで、地域の課題も「わたしごと」になり、そして、暮らすまちも元気にしていくような仕事のこと。

最初は自分のために起業した若者や女性にとって、いつの間にか地域の課題も「わたしごと」になっていきます。小さな起業は、意識を受け身から自らやるに変える地域参画のしくみなんです。

「わたしごとJAPAN」では、そんな「わたしごと」に取り組む全国の仲間とエンパワメントしあいながら、地域に“わたしごと起業”を広げていくために、2019年全国ネットワークを設立しました。Webサイトでは、全国の「わたしごと」を実践している人のインタビューも掲載しています。

子育てのために移住した鶴岡で、小さな起業のしくみができるまで

私は、2011年に家族で東京都台東区から、山形県鶴岡市に移住しました。移住の理由は、子どもを自然のなかで育てたいから。私は山形県上山市の出身なのですが、海があり北前船文化の影響を受けた庄内地域(山形県の日本海側の地域)に憧れがあったんです。

きっかけになったのは、当時サラリーマンだった夫が、たまたま出張先の鶴岡で外遊びに熱心な保育園を見つけたこと。申し込んでみたら入園できたので、家族で移住することに決定。 「ダメなら実家も近くにもあるし」と、あまり深く考えずに決断しました(笑)

私は、東京で旅行会社のJTBに勤めた後、自然ガイドとして活動し、その後仲間と起業していました。当然、移住に対する不安はありましたが、とにかく「自分たちが1才でも若いほうがリスクが低い!」と考えました(夫婦ともに、相当変わり者と自覚していますので、マネしないほうが良いかもしれません(笑))。ちなみに、移住を機に、夫(横浜出身)はサラリーマンから、山伏業に転身しています。

移住後は、「変な夫婦が鶴岡に引っ越してきた」とウワサになり(笑)、鶴岡市役所の某課の課長さんが会いにきてくれました。当時、鶴岡市は、ユネスコの食文化創造都市登録に向けて準備中。JTB出身の私に、ユネスコ登録に向けたツアー企画の意見を聞きたいとのことでした。そこで、忖度なしに意見したところ、「そこまで言うなら、あなたがやってみませんか」となり、2012年に鶴岡市の外郭団体のアドバイザーに就任することに!

そこでのミッションは、雇用の創出。3年の有限組織です。

3年では企業誘致も難しい。創業塾はすでに地元の商工会でもやっている。新しい方法を模索していたとき、自宅の本棚にあった『3万円ビジネス(藤村靖之著、晶文社)』に目がとまります。小さく起業する人を増やすことなら、3年でできる。「これだ!」と、2013年藤村先生を鶴岡にお招きしました。

ところが、講演はとても盛り上がったのですが誰一人、起業せず。理由を数名にたずねてみたら大きな理由は以下の3つでした。

①失敗するのが嫌 

②一人ではでできない

③お金をもらって文句を言われたくない

そこで、この3つを解決する「部活のノリで起業しよう! 1年間は練習だから失敗OK」というしくみを作ったところ、2014年は9名が起業! 同時期に「来月の仕事が決まらない」という非正規で働く女性の声を聞いて、「仕事がないなら、自分で作ればいい!」と思ったのも契機に。

この2014年の活動がつながり、2015年に「鶴岡ナリワイプロジェクト」が生まれました。

自分が納得できる人生をつくるために、直感と自分を信じて!

プロジェクトを通して、いろいろな方と出会う機会がありました。

印象に残っている一人に、ナリワイ起業講座に申し込まれた難病患者の女性がいます。受講中に体を休める場所を用意するなどのサポートが必要であり、マンパワー的に対応できるか分からず迷ったのですが、彼女があまりに熱心だったので、お受けしました。

彼女は卒業後、起業講座で知り合った仲間と、「ホスピタル・ハート・アクト」プロジェクトをスタート。もろもろの困難を乗り越え、隣の酒田市の日本海総合病院で、入院患者さん向けのアートプロジェクトを行っています。本人が、入院中に病気のことばかり考えて鬱々としていた際、折り紙で気分を紛らわせたことがきっかけに。「病人に病気のことだけ考えさせない」という強い意志のもと、取り組んでいらっしゃいます。

彼女に会うまで、私は、「難病患者=弱者」と思っていました。
でも、弱者という見方はちょっと違います。弱者にしてしまっているのは、社会に参画できるしくみがないから。必要なのは支援ではなく、参画できるしくみであると教えてくれました。

「鶴岡ナリワイプロジェクト」では、今後、持続可能な地球・地域・自分を軸に、「自分が納得できる人生」を生きる人を増やすための活動をしていきます。

 

手堅く事業計画をつくるというより、小さな実践を繰り返しながら、直感を磨き、自分を信じ、ピンときたこと、情熱を傾けられることに時間を使いたいです。

これからの時代、鍵となるのは、

①対話のスキル

②生物文化多様性

②お金以外の流通(物々交換、スキル交換、信用など)。

これらを体感できるような学びの拠点を、自然豊かな場所に仲間とつくっていきたいと思っています。

全国の女性へのメッセージ

気になったことは、片っ端からやってみてください。

現代人は、頭でっかちで、心と体が気づいていることを、
頭でストップさせてしまっていることが多いのです。

直感を磨き、信じ、動いてみてください。
うまくいくかは、やってみなければわからないのですから。

「鶴岡ナリワイプロジェクト」代表 井東敬子

★好きな言葉★

「自分の可能性を自分でつぶさない。」

私は、都会のOLから自然ガイドに転職した時、できないことが多すぎて、いつも「できません」と言っていました。その時、師匠に言われた一言です。その後は、この言葉を支えに、何でもやってみたら、質はともあれ大体のことはできました。思い込みは、チャンスを狭めてしまいます。

好きからはじめる小さな起業“ナリワイ”を呼びかける「鶴岡ナリワイプロジェクト

好きなことで身近な困りごとを解決する”ナリワイ”づくりを通して、主体的に動く人を増やすためのプロジェクト。『月3万円ビジネス』(藤村靖之氏著、晶文社)の考え方をベースに、起業講座を実施。卒業生は、2020年6月時点でで65名に。2020年7月には、オンラインでの「ナリワイ起業講座」も開催。

●「ナリワイ起業講座」はこちら

●「わたしごとJAPAN」はこちら

●代表 井東敬子オリシャルサイトはこちら

 

 

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