【栃木】#46 絵本づくりをとおして多様性を認める社会づくりを目指す女性たち「ERICCO BOOK PROJECT」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、栃木県宇都宮市を中心に手作り絵本のワークショップ活動をされている、NPO法人「ERICCO BOOK PROJECT(エリッコブックプロジェクト)」代表の今井絵理さんに聞きました。
私たちは、貼り絵を用いた作品やオリジナル絵本の制作ワークショップ(WS)を通して、親子や家族の絆づくりや子どもの情操教育支援を目指しています。
ワークショップでつくるのは、同じ文章のものに参加者それぞれが貼り絵をして仕上げる『たからもの』という絵本。愛を伝えるオリジナルストーリーに想いをのせて、手作りの絵本を大切な人に贈ろう!とたくさんの方にご参加いただいています。
私たちのWSでは、参加者全員で貼り絵の素材となるカラペ(コピー用紙に絵具などで好きなように色や模様をつけたもの)をつくるところから始まります。カラペとは、カラリエーションペーパー(coloreation paper)の略で、color(色)とcreation(創造)をあわせて作った造語です。
できあがったカラペをシェアしあって絵や絵本を作り上げ、発表するという一連のスタイルがERICCO BOOK PROJECTの形です。基本的にWSは3カ月間、全6回の制作日程(2週間に1度)で本の完成までを目指します。
思い思いにカラペ作り中
みんなのカラペをシェアして本づくり開始!
カラペを用いた本づくりは、上手い下手も正解もない、誰もが自由に楽しめる世界。さらに、個性の出る手作りカラペを全員でシェアすることで、予想外に褒められたり、人の個性・感性に驚いたりと、単なる絵本づくり以上のポジティブな動きがたくさん生まれるのが、私たちのWSの大きな特徴であると感じています。
そして、ERICCO BOOKの絵本は、作り上げたら終わりではありません。完成された絵本について、参加者それぞれがその想いを発表する「絵本完成発表会」を開きます。ストーリーは同じでも、作り手が違えば完成した絵本は全く異なる。それぞれのページの絵に込められた想いを発表し合います。他の発表者の作品に込められた想いを知ると、涙が出るほど感動してしまいます。
はじめは、わが子に向けた本づくりとしたいというママさん向けの活動でしたが、WSを重ねるうちに、学校や図書館、介護施設など開催場所も広がり、子どもからお年寄りまで、年齢性別問わずに受け入れられる活動へと広がりました。
長野県の郵便局長組合でのワークショップ風景
また、自治体や地域の方々と連携をとり、地域コミュニティに参加して盛り上げていく活動も実施。そのためのツールとして「オリジナル絵本キット」「ポストカードキット」「カレンダーキット」「カラペセット」等の補助ツールの販売もしています。(詳細はこちらから)

この方法でなら、「絵本を作りたいけどハードルが高くて諦めていたようなかたにも、簡単に挑戦してもらえる」と確信し、友人知人を中心にWSを開くようになりました。
私たちはまず、その「いろがみ」作りのワークショップから始めました。白い紙に、絵の具で自由に色を塗ったり、模様をつけたり、無心になって色と戯れる時間。「大人になって、絵の具で色塗りするのがこんなに楽しいなんて!」「思った以上に色に癒された。色のチカラってすごいかも!」など、その楽しさ、その魅力に、ハマる人が続出しました。
みんなで作ったいろがみを、みんなでシェアしてコラージュ絵に挑戦。ワークショップは、ポストカード作りからはじまり、額に入れて飾る絵を作り、さらに絵本作りへとステップアップしていきました。



★好きな言葉★
「みんな違うから、おもしろい」
NPO法人 ERICCO BOOK PROJECT
HP: https://www.ericcobook.com/
Facebook: https://www.facebook.com/ericco.book.project/
Instagram: https://www.instagram.com/ericcobook/?hl=ja
★のぼり坂47では、全国各地で活躍する女性・団体を募集中! 応募方法など詳しくはこちら