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【沖縄】#72 女性の平均寿命日本一の村でおばあちゃん100人の絵を描く「長寿女性100人プロジェクト」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、女性の平均寿命日本一の村・沖縄県北中城村で、おばあちゃん100人の絵を描く「女性長寿100人プロジェクト」を実施する安本沙世さんに聞きました。

女性の平均寿命日本一の村で、おばあちゃん100人の絵を描くプロジェクト!

「女性長寿100人プロジェクト」は、3期(15年間※)連続女性の平均寿命が日本一の村・沖縄県北中城村をPRするため、地域で元気に活躍する女性のご長寿100名の絵を描くプロジェクトです。
※全国平均寿命のランキングが5年に一度、厚生労働省から発表となるため。

ご長寿の集まる地域のサークルなどに実際に足を運びながら、約1年かけて100人分のおばあちゃんの絵を描きあげました。
この活動の集大成として村内の大型ショッピングモールで展示会の開催を予定していたのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で、一度は延期に。ただ、再延期が厳しくなったので、9月の敬老の日に合わせてオンライン展示会を開催しました。

またこの活動のなかから生まれたサブプロジェクト「おばあと一緒に商品開発プロジェクト」も行っています。
これは、絵を描きにデイサービスへ行ったときに思いついたもの。飾られていたおばあちゃんたちの作品を見て、この作品をベースにブラッシュアップして販売できる商品をおばあちゃんたちと一緒に作れないかな…と思ったからです。

手芸などが得意な人を中心に声をかけていたので、商品はアクセサリーや雑貨が中心。オンラインショップを中心に販売していて、県内で取り扱ってくれるショップを募集中です。
売上の半分を制作者にお渡しすることで、やりがいや生きがいを持ってもらうきっかけにするほか、手先や頭を使うことで認知症などの予防につなげることも目的としています。

作り手が増えてきたら、公民館などでワークショップなどを行い、「私もやってみたい」という方を集めたいと思っています。そうやって一緒に商品制作をすることで、地域交流にもつなげたいです。

女性の平均寿命全国1位の北中城村の魅力を伝えたいから

私は滋賀県出身で、2017年に地域おこし協力隊として沖縄県北中城村へ着任しました。任期は3年。広報誌の刷新などの仕事を経て、最後の1年は地域のために自分に何ができるのかを考えてみたんです。

それで思いついたことは、地域の人が喜んでくれて、自分の将来にもつながるようなおもしろいこと。そして、女性の平均寿命が全国1位という北中城村の魅力を自分なりに伝えること。
大学卒業後は、デザイナーやイラストレーターとして独立を考えていたこともあって、企画したのが100人分のおばあちゃんの絵を描くという「女性長寿100人プロジェクト」でした。

活動をスタートするにあたって、結果的には自分の環境を変えることとなりました。

それまで働いていた役場では、以前からこの活動について話をしていたはずなのに、いざ動き出してみると担当者との考えのズレが生まれ、精神的にまいってしまいました。

地域おこし協力隊というのは、もともと受け入れ先によっては「地域をおこす」という漠然とした課題に取り組まなければなりません。地域の課題はさまざまありますが、協力隊に何をしてほしいのか、自分自身は何をしていきたいのか、よく行政と話し合わなければならないんです。

3年目にして私がうまくできなかったこともあって、観光協会へ出向させてもらうことになりました。そこへ移ってからは、活動への理解も得られ、制作環境にも恵まれたので、やっと活動をスタートさせることができました。

絵のモデルを探すうちに、おばあちゃんたちが大切な存在に

プロジェクトは絵のモデルになってくれるおばあちゃんを探しにいくところからはじまりました。
人見知りでもあるため、はじめはドキドキしながら公民館で体操サークルに参加するおばあちゃん、おじいちゃんたちの元へ足を運んだことを覚えています。

自己紹介からはじまり、まずは一緒に体操に参加して、顔を覚えてもらい、許可が出た方のみ撮影。職場へ帰って、その写真をもとに毎日、毎日絵を描いて過ごしていました。

おばあちゃんたちとの交流はとても楽しかったです。自分は地域のためにこの活動をしていると思っていても、なかなか形になるまでは不安でいっぱいでした。そんな私を「大丈夫だよ」と認めてくれるような空気感で。おばあちゃんたちがとても大切な存在になっていきました。

学ぶことも多くありました。
プロジェクトの途中まではシワ1本1本も生きてきた証だと思って見たまま描いていたんです。ある日、機会があって本人に絵を見せたら「これ私?」と、シワが気になってしまったようで。私のなかでもハッとしたできごとでした。

おばあちゃんと言えど、いつまでも女性は女性。考えてみれば、「自分だってがっつりシワを描かれたら嫌だよな」と反省。シワやシミも薄くすることを意識しながら「美しく描く」ということをその日から心がけました。

そして、約9カ月かけて描いていき、2020年2月初旬に100人分の絵が無事完成!
当初予定していた展示会は、オンライン展示会となってしまいましたが、それが終了したら、今度は村の各所で作品展示を行いました。11月中は北中城村総合社会福祉センターで、12月1日から20日までは普天間自動車学校で開催しました。

見ていただいた方には「笑い声が聞こえてきそう、北中城のおばあちゃんに元気をもらえました」、「見ていて自然と涙が溢れてきました」、「1枚の絵に、その女性の人生の一部が描かれている。生き方は顔に出る。自分が何才まで生きるかわからないけど、いい顔で生きたい」といった感想をもらえました。

なかには、「いま本当に必要なことは『地域が元気を取り戻すこと』。地域は、ひとで作られているから、ひとりひとりの元気をつないだら、もっと元気になれそう」という声もありました。

その期待に応えられるよう、今はとにかく目の前の仕事に奮闘しながら引き続き、作品展示を開催していければと思っています。

また100人の絵のほかにもうひとつおばあちゃんたちと進めていた「おばあと一緒に商品開発プロジェクト」。本当は展示会のときにお披露目する予定だったのですが、その場がなくなってしまったので、このオンライン展示会に合わせてオンライン販売をスタートしました。

新型コロナウイルスの影響でやりたかったことができなくなるのはとても悔しいですが、その間にもやれることはたくさんあるはずなので、サークルなどができなくなってしまったおばあちゃん、おじいちゃんたちの役に立てることを考えていきたいです。

絵を本人に渡すまで、プロジェクトをきちんと完結させたい!

「女性長寿100人プロジェクト」自体、クラウドファンディングなども活用しながら村内外問わず、本当にたくさんの方に応援してもらったんです。

当初の開催予定時期から大きくズレてしまいましたが、オンライン展示会も開催できたし、ようやくプロジェクトの完成が見えてきました。必ず形にして次の歩みへとつなげたいと思います。

ちなみに100人の絵は、当初から本人にお渡しする予定だったので、展示会が終わったら早く本人のもとへ届けたいです。本人はもちろん、家族やまわりの人たちが喜んでくれるよう、その日まで諦めずに私の協力隊としてのけじめをつけたいと思っています。

全国の女性に向けてメッセージ

沖縄県北中城村は何と言っても女性が日本一元気な村です。

私もおばあちゃんたちに日々、元気をもらっています。元気に働く女性はいくつになってもキラキラしていてまぶしい。自分もここへ来て、歳をとってもこんな姿でありたいと思いました。

コロナなんかに負けないで、今できることを一生懸命やる。そしていつの日かまた、ウイルスのない平穏な世界に戻ったとき、ためていたパワーで世の中をサスティナブルでよりよい豊かな社会にしましょう。

 

★好きな言葉★

自分の直感に正直に生きる

仕事も人生も自分の選択次第だけれど、たまにある“違和感”に気づくことって結構難しいですよね。でも、馬鹿正直に自分の直感に従ってきたから今があると思うんです。

もちろん初めからそうだったわけではないけれど、あるときから自分の気持ちに正直に生きてみたら、いつの間にか不思議と望んだようになっていました。

 

女性の平均寿命全国1位の村でおばあちゃん100人の絵を描く「女性長寿100人プロジェクト

女性の平均寿命が89.0歳と3期(15年)連続で女性長寿日本一の村、北中城村。
そこで暮らす元気なおばあちゃんたち100人の絵を描いて、もっとこの村をPRしたいと企画したプロジェクトです。絵のモデルのおばあちゃんたちと出会っていくなかで思いついた「おばあと一緒に商品開発プロジェクト」も行っています。

Facebook:https://www.facebook.com/oba100pj
おばあの手仕事オンラインショップ:http://maruika0.thebase.in/

 

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