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【岩手】#72 3.11の津波到達地点に桜並木をつくる「NPO法人桜ライン311」

日本全国でがんばっている女性を紹介する「のぼり坂47」プロジェクト。今回は、岩手県陸前高田市で17,000本の桜を植樹する活動をおこなうNPO法人「桜ライン311」の副代表・伊勢友紀さんに聞きました。

東日本大震災の教訓を伝えるための桜並木

桜ライン311」では、2011年3月11日に発生した東日本大震災の教訓を後世へ伝え残すため、岩手県陸前高田市内の津波到達地点である約170㎞にわたって、10m間隔で1本、計17,000本の桜を植樹するという目標を掲げ、2011年10月より活動を行っています。

私たちから当たり前の日常と多くのものを奪っていった東日本大震災。

「もしまた津波が発生したとき、この桜より上に逃げて命を守ってほしい」。このメッセージを伝えるべく、津波を経験していない世代、未災地の方にも「自分ごと」として感じてもらえるよう、市内の小中学生はじめ全国から参加者を募る『植樹会』という形で桜を植えています。

また、教育機関や全国各地での講演をとおし、震災で得た教訓の普及、減災に対しての啓発活動にも取り組んでいます。

植樹会参加者集合写真

桜はもの言わぬ語り部になり、未来をつなぐ道しるべに

三陸沿岸地域は、歴史的に繰り返し津波による被害を受けてきた地域です。貞観 11 年(869年) に発生した貞観地震による津波から、現在までのおよそ1200年の間に17回もの津波が押し寄せたという記録が残されています。

先人たちの津波の教訓は、石碑という形で残されていましたが、私たちはこの教訓を活かすことができず、悲しみを繰り返してしまいました。この時に生まれたのが「私たちは悔しいんです」という感情でした。

石碑に変わるもので後世へ伝えられる手段はないか?

試行錯誤していた当時、陸前高田市長の戸羽太さまが出版された「被災地の本当の話をしよう」という本に、「被災した陸前高田に桜の木をたくさん植えたい」という夢を語る一節がありました。

この言葉からヒントを得て、「津波到達点に桜を植えて後世へ伝えよう」と、地元の青年団体協議会有志で活動をスタート。

桜は日本の国花でもあり、日本人にとって特別な存在です。1年に1度咲く桜が、春になれば津波到達ラインを視覚的にも知らせ、東日本大震災を語り継いでいく。そんな、もの言わぬ語り部として未来へつなぐ道しるべとなるよう、1本1本思いをこめて植樹しています

私自身は東日本大震災で変わり果てた地元を見て、「今地元の為にできることを」と東京での仕事を辞め、岩手県陸前高田市の実家にUターン。地元に戻ってすぐに出会ったのが、この桜ライン311でした。

当時、事務所を構えたばかりの「桜ライン311」理事に声をかけてもらい、活動趣旨に賛同し入局。NPO認証を得たばかりで、事務局体制をイチからつくる必要があり、3人でのスタート時は何もかもが手探りで大変でした。

 

手入れの様子

今でこそ、パソコンでの管理システムが構築されていますが、当時はこういった情報も整理できていませんでした。特に私は当時パソコンが大の苦手だったため、ほぼ一人で事務作業をこなすのに苦労しました(笑)。

現在はスタッフが7人に増え、「広報チーム」「植樹チーム」として作業分担をしながら、日々の活動を行っています。

20年の植樹計画を達成するために、賛同の輪を広げながら前へ

「災害で生まれる悲しみを2度と繰り返さない未来を創る」ことをビジョンに活動を展開中です。

私たちが植えている桜は、震災の教訓を伝えるため、陸前高田市の未来を生きる人への「避難の目印」としての意味合いがあります。実際に津波到達点に立ち、桜を植えることで見える景色、感情を大事にしてもらいたい。そして、その感覚を持ち帰ってもらうことで、自身の生活している地域での防災・減災につながると考えています。

中学生による草刈

現在、男性スタッフ5名、女性スタッフ2名。どちらかと言えば草刈や斜面での作業も多く、それらの活動は男性がメインだと想像されるかもしれませんが、女性も対等に作業しているんです(笑)。私は外作業や、植える土地の交渉を主に担当しています。

活動の中心軸となっている「植樹会」に向けては、植える土地の交渉から始まるのですが、この植樹地の確保が大きな課題の一つです。

桜を植える場所=津波が止まった場所。まさしく生死を分けた境でもあり、発災時大変な思いをされたり、ご家族を亡くされている地権者も少なくありません。「思い出したくない」という心情面と、土地の利活用の問題、造成工事などにより、植樹が保留となる場合が多いからです。

この点においては、復興と足並みを揃え、住民の心に寄り添うようなコミュニケーションを大切に、解決をはかっていきたいと思っています。

現在、1789本の植樹が完了しています。これは目標本数の1割にしか達していませんが、植樹本数の増加に伴い、手入れや草刈りなどの管理コストが負担となっていきます。地域の桜として愛され、一緒に見守りができるよう、地域住民による「桜守」のような体制がとれればベストだと考えています。

私たちの植樹計画はおおよそ20年を見込んでいますが、苗木だけでも3億円を超える膨大な資金が必要となります。組織を継続させていくための「活動資金の調達」も今後の課題の一つ。広報物やSNSなどでより多くの方の共感が得られるよう発信力を磨き、趣旨をまげず活動を継続していくことで、少しずつ賛同の輪が広がると信じています。

全国の女性に向けてメッセージ

多様化が求められている現在、女性が活躍できる場は増えていると思います。

当団体の植樹会でも妊娠中の方や小さなお子さんと一緒に参加される女性もいて、「こんな状況だけど、参加してもいいのかな……」と相談を受けることもありますが、可能な限りご参加いただけるように調整しています。

落ち着いたら、当団体の活動にもご参加・ご協力いただけたら嬉しいですね。

 

★好きな言葉★

出会い大事に縁をつなぐ

私が人生のモットーとしていることです。

日々たくさんの出会いがあるなかで、また出会える方、縁のある方は少数だと思います。私はこの「縁」を大事にすることで、必要な時には支えあったり人を繋いだり、輪が広がっていく喜びを感じています。

 

認定特定非営利活動法人「桜ライン311

【認定特定非営利活動法人 桜ライン311】

〒029-2205 岩手県陸前高田市高田町大隅93−1高田大隅つどいの丘商店街 12号

TEL/FAX 0192-47-3399 MAIL info@sakura-line311.org

URL http://sakura-line311.org

Twitter @sakuraline311

facebook http://www.facebook.com/sakuraline311

岩手県陸前高田市内の津波到達地点に桜を植樹し桜並木をつくることで、東日本大震災の教訓を後世へ伝え、有事の際の避難の目印となるよう活動を行っているNPO法人です。「災害で生まれる悲しみを2度と繰り返さない未来を創る」ことを目指し活動を展開しています。

 

のぼり坂47では、全国各地で活躍する女性・団体を募集中! 応募方法など詳しくはこちら

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