「SDGs100人カイギ」でSDGs達成に向けた、資金のあつめ方について考えてみました!
こんにちは。女子部JAPAN(・v・)のHicaryです。
最近、テレビ番組で特集が組まれるなど「SDGs(エスディージーズ)」という言葉をよく聞くようになりましたよね。
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。よりよい世界を目指すための17のゴールと169のターゲット(具体的な目標)で構成された国際目標です。
「誰ひとり取り残さない」ことを目標達成の条件とし、2030年に達成することを目指しています。
(詳細はこちら!)
このSDGsにまつわるプロジェクトとして行われているのが「SDGs100人カイギ」です。
毎回、SDGsにちなんだひとつのテーマに対して、2030年までに本気で世界を「変える」ことを目標に活動をしている4人が登壇。その話を起点に、クロスジャンルでゆるやかな人のつながりを生むことを目的にほぼ毎月開催しているイベントです。
ルールは、ゲスト登壇者が100人集まったら、解散すること。
SDGsの目標自体は大きいですが、私たちでも取り組める何かを見つけるため、女子部JAPAN編集部では、キックオフイベントからこの「SDGs100人カイギ」に参加しています。
そして2021年10月27日に、23回目のカイギが行われました。オンラインで行われたこの模様をご紹介します。
SDGsを達成するためにしている企業・団体の資金調達の方法とは?
23回目のテーマは、「SDGs達成に向けた、資金のあつめ方」。
2016年以降、発生可能性が高いグローバルリスク上位5位の項目のなかで「異常気象」などの環境リスクが多くあがるようになりました。
そのため投資の際に企業価値を測る材料として、利益率などを知ることができる財務情報のほかに、非財務情報となるESG要素も考慮することが重要視されてきています。
ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)のこと。これらに関わる社会課題に積極的に取り組んでいるかどうかは、グローバルリスクのところを見てもわかるように、注目すべきポイントですよね。
そこで今回は企業がSDGs達成を見据えた資金を集める方法としてのESG投資について。そのほかに企業や団体の寄付やクラウドファンディングでの資金調達について、こちらの4人が登壇し、教えてくれました。
左上から時計回りに
高崎経済大学 学長
水口 剛さん
株式会社日本政策投資銀行 設備投資研究所 エグゼクティブフェロー
竹ケ原 啓介さん
認定NPO法人日本ファンドレイジング協会事務局長
小川 愛さん
READYFOR株式会社キュレーター事業部Social部門リードキュレーター
徳永 健人さん
そして、各登壇者の話で、私が印象に残ったのはこちらです!
・ESG投資が注目されるようになったのは「気候変動」から
高崎経済大学の水口さんが解説してくれたのは、ESG投資がなぜこんなに注目されるようになったか。その大きな要因は、2019年の大雨やイタリア、ギリシア、トルコの山火事、中国の豪雨といった気候変動。
しかもそれだけではなく、社会の格差が広がってきていることもあげられます。それらの要因は利益を追求する人たちのせいなのではないか……。一見するとそう見えるのですが、それは誰か特定の人ではなく、社会システムのせいなのかもしれないというのがESG投資の考え方の原点だそう。
つまり、企業などに勤めてもらったお金を人々は銀行に預けたり、保険に入ったりします。そのお金は銀行や保険会社が投資・融資するなどして、企業にいきます。この投資・融資の際に選んだ企業が環境や社会に影響を与えていると考えます。
そのため、社会課題の解決に貢献するために環境や社会に配慮した事業を行う企業へ投資や融資をしよう=ESG投資という流れになっているそう。
ちなみに先ほども言った通り、労働者は企業や政府に雇われていて、そこで得たお金を銀行などに預けて、それが企業に渡るというお金の流れになっています。なので、労働者である私たちも金融機関を通して間接的に企業へ投資や融資をしていることになります。
間接的に投資をしている立場に立ってみても、お金を預けている金融機関が環境や社会などに配慮した事業を行う企業に投資・融資してほしいと思いますよね。
そういう意味でもESG投資は他人事ではなく、関心を高めていくべきことなのだなと思いました。
・地域社会を盛り上げるのに向いているESG投資
日本政策投資銀行の竹ケ原さんは水口さんの解説を受けて、ESG投資の現状にまつわるお話でした。なかでもおもしろいと思ったところは、ESG投資が地域企業や地域経済を活性化させるのに向いているのではないかということ。
ESG投資は、10〜20年など長い目で見て社会課題を解決できるかどうかを見極めることが必要で、その分、企業が出す結果も長期的に見なければならない性質があります。
それに似ているのが地域の金融機関がメインバンクになり、その地域にある企業を支えてきた構造。
だから「ESG地域金融」という形で、地域をいかに持続可能なものにするかという視点で投資・融資を行うことを推し進めているそう。そうすることで、地域社会が活気づくのではないかということでした。
ESG投資で地域が盛り上がり、それが全体に広まっていくと、いつの間にか日本全体の活性化につながりそうですよね。
まだ「ESG地域金融」の事例は多くないようですが、これから広まってほしいと感じました。
・手軽に社会貢献につながる「寄付」
寄付や社会的投資が進む社会の実現を目指して設立された日本ファンドレイジング協会の小川さんからは、非営利組織(NPOなど)が資金を集める方法である「寄付」について教えてもらいました。
1年間に集まる寄付は、『寄付白書2017』のデータによると、2016年で約7,760億円。2人にひとりは寄付している計算です。その前までは3人にひとりでしたが、東日本大震災がきっかけに増えたそう。
寄付した人の年齢層はまだまだ若い人は少なく、年齢が上がるごとに増えていく傾向で、年齢が上がると女性のほうが多くなります。
とはいえ、まだまだ日本は社会貢献への関心度が他国に比べて低いそう。
でも、具体的に自ら活動できなくても、社会課題解決に向けて行動している人の支援になり、それが実を結ぶのであれば、「寄付」は手軽に社会貢献につながる方法ですよね。
自省も込めて、もう少し寄付への関心を高めていこうと思いました。
・クラウドファンディングで資金を集めるという手段も
READYFORの徳永さんは、クラウドファンディングでの資金集めについてお話してくれました。
クラウドファンディングで資金を集めるメリットは、初期費用ゼロ、在庫リスクゼロで、不特定の人から資金提供してもらえること。共感性が要になるので、ファンコミュニティが形成されやすく、そこから話題作りにもつながりやすいところです。
このコロナ禍においては活用した団体が増えたそう。
そのほか、例えば児童労働撤廃に向けて活動しているSDGsに関連した団体のクラウドファンディングも。
最近自分がチェックしたクラウドファンディングというと、アイデア商品など「あったらいいな」と思ったものを具現化し、それをほしいと思った人が資金を出して、実際にその商品が手元に届くというイメージ強かったです。
でも、SDGsに関連した団体などの資金になる仕組みづくりができている知り、寄付をしたくてもどこにどういう手段で資金提供すればいいのかわからなかった人や、より共感できるところに寄付をしたい人にとって手軽にはじめやすい社会貢献だと感じました。
ちなみに、SDGs100人カイギでは毎回、登壇者の発表をその場でイラストに描き起こし、発表した概要がわかりやすくまとめられたグラフィックレコーディングも行われています。今回のvol.23のイラストはこちらになります。
もっと気軽に社会貢献できる!
小川さんの寄付の話で気になったのは、商品を買うだけの寄付もあるというところ。
例えば、自販機でジュースを1本買っただけで10円の寄付になるもの。
ほかにもキャンペーンなどで売上の一部が寄付されるお菓子・飲料水もあります。
ちなみに年賀はがきでも寄付金付きのものがありますよね。
SDGsに興味はある、社会貢献できる資金提供をしてみたい、けどできればすごく気軽なものがいい…というときにこういったものにチャレンジしてみるといいのかな、と思いました。
次回の「SDGs100人カイギ」も編集部で参加予定。レポートもお楽しみに!
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