上司との食事もこれさえ知っておけば焦らないで大丈夫! 会食のマナーをまなぼう

こんにちは。マナーをまなー部のみずほです。
マナー部の活動をはじめてから、改めて自分のマナーについて振り返ることが増えました。
行動に移す前に「これであっているかな?」と思い返すと、自信がないことだらけ…。
あちゃちゃという事態になる前に、今回も尾形圭子先生にマナーの基本をたたきこんでもらいましょう。
第3回はビジネスシーンでの「会食(食事)のマナー」。上司との食事、ドキドキな接待など、どっちが正しいの? と迷う場面に役立つ正しいマナーをQ&A方式で尾形先生が教えてくれました!
尾形圭子先生
株式会社ヒューマンディスカバリー 代表取締役社長
全日空・大手書店・外資系化粧品会社の接客・人材育成部門を経て研修講師となり、2000年に会社設立。ビジネスマナー、クレーム対応など実践的な指導には定評がある。主な著書に「イラッとされないビジネスマナー社会常識の正解」(サンクチュアリ出版)、近著に「きちんとした研修を受けられなかった人のためのマナーのルール」(中経KADOKAWA文庫)など20冊以上。テレビ・ラジオ出演、雑誌への寄稿も多数。
「マナーとことばの講師 尾形圭子ブログ」http://ameblo.jp/ogatakeiko/
■和食ダイニングやお寿司屋さんで、お醤油を使う場合。人のお醤油はさしていいの? いけないの?
親しい関係なら問題ありません。
ただし、多めに少なめになどの好みがありますので、上司や取引先の人へは配慮が必要です。注ぐ前に「お醤油を入れてもよろしいですか?」というひと言を添えるのがよいでしょう。注いだ場合は「これくらいでよろしいですか?」という気配りも必要ですね。ただし、注ぐのは自分の両側にとどめておくこと。身を乗り出してまでやることではありません。
■ビールのお酌はどのタイミングでビールを注ぐ? 瓶の持ち方は?
相手のビールが3分の一程度になったときに「いかがですか?」と聞いて注ぎましょう。少なくなっているからと勝手に注ぐのはNGです。
瓶の中ほどを右手で持って、左手を瓶の下に軽く添え、ラベルが上になるように持ちます。この時、手の甲が上になるように注意してください。手の平を上にして注ぐのは、「逆手注ぎ」といって失礼になります。
■ビールを上司に注いでもらうときのマナーは?
グラスを片手に持ち、もう片方の手は底に添えます。最初は、相手が注ぎやすいように少し傾けてから、垂直に立てると泡がきれいに立ちます。注いでもらったら、必ず1回は、口をつけます。注いでもらってすぐに置くのは失礼にあたります。
また、グラスにたくさんビールが残っている場合は、注ぎやすい程度に一口飲んでから注いでいただくのがマナーです。
■洋食でワインをいただく場合テイスティングは誰がする?
一般的には「ホスト」になる人。要するに主催者。カップルであれば男性です。ただし、女性がワインに詳しい人であれば、お願いしてもかまいません。そんなにかたく考える必要はありません。
■ワイングラスの乾杯はグラスを持ち上げるだけ?
正式にはそうです。高級なグラスは薄いため、強く乾杯すると割れてしまう可能性も。レストランの方の話では「カシャン」という音を聞くと「グラスが泣いている」と感じるそうです。ただし、カジュアルなお店や、会の趣旨によっても違いますので、場の雰囲気に合わせることも大事です。
■ワインを女性が注ぐのはダメ?
高級なレストランでは、ワインを注ぐのはウエイターに任せます。もう少しカジュアルな場だったとしても、ワインのマナーとしてはレディファーストが基本です。ただし、これも参加者や場の雰囲気によって違いがでてきます。
■ワインを注いでもらう際、ワイングラスは持ち上げてはダメ?
はい。ワイングラスはテーブルに置いたままがマナーです。全てウエイターに任せましょう。
■割り箸の袋で箸置きを作ってお箸を置いています。これってテーブルマナー的にあり?なし? 上司の前では失礼にならないか心配です・・・。
箸置きがない場合は問題ありません。ただし、まるで折り紙をするように複雑に時間をかけて作る人がいますが、正式の場ではこれはNGです。上司の前では、簡単に折ったり結んだりする程度で、食事や会話に集中しましょう。
■取り分けた食事は上司から。ですが、ビールやシャンパンなど、泡のお酒は、反対に偉い人の分を最後に注ぐのがマナー?
同様に上司から注ぎます。泡が抜けてしまうのでは、という心配かと思いますが、人数が多ければビールはその分多くテーブルに出ているはず。また、シャンパンはウエイターに任せれば間違いありません。
■職場の飲み会はどのくらい付き合うべきでしょうか? 失礼にならない、上手な断り方や途中の抜け出し方などがあれば教えてください!
・お断りするときの5つのポイント
このポイントを押さえることが大事です。
- 誘っていただいたことにお礼を言う
- 「できれば行きたい」という気持ちを伝える
- お断りする理由をできるだけ具体的に伝える
- 次回への期待を伝える
- 丁寧に心をこめてお話しする
・お断りするときのマナー
「申し訳ありません。とても残念ですが、今日は以前からの約束がありますので、また次の機会に誘っていただけますか?」などと、大切な約束だと相手に伝えることが大事。
会社の上司や先輩に誘われたときは、
「ありがとうございます。大変残念ですが、本日中の仕事がありますので、次の機会にぜひご一緒させてください」など、テキパキと仕事を進めている印象で伝えるのもひとつの断り方の方法です。
・途中で抜け出すときのマナー
事前に「申し訳ありませんが、今日は〇〇の予定がありますので、〇時には失礼させていただきます。」と、言っておくと失礼にあたりません。
途中でどうしてもその場から抜け出したい状況になったとしたら、「ちょっと体調がすぐれませんので失礼させていただきます」「明日までにまとめなければいけない資料がありますので。申し訳ありません。」「申し訳ありませんが、明日〇〇で早いので」など、相手が納得できる理由とお詫びの言葉が必要です。
■上司にご馳走になったときの、部下として正しい立ち居振る舞いを教えてください。
まず、「今日はおごりだ」と言われても「いえ自分にも少し出させてください」と謙虚さを示す姿勢を見せましょう。それでもおごると言われたら素直に「ありがとうございます。美味しかったです!」とお礼を伝えて。上司がレジで払っている間はお店の外で待ちます。間違ってもレジ前に立っていないこと。お金を払う場面は見られたくないものです。そして、上司がお店から出てきたら再度お礼を言いましょう。
■席次のマナーでソファ席と硬い椅子の席が混ざっている場合、上座はどちらですか?
原則として心地よいソファ席を勧めますが、入口の位置や窓から見える景色にも配慮してご案内したいですね。基本は、目上の人には「落ち着いた場所で、ゆっくり、気持ちよく座っていただける場所をご案内する」ということ。迷った場合は、それを頭に入れて、導き出しましょう。
■その他、前提として知っておいた方がいい会食のマナーや、よく勘違いしている会食シーンでの間違いなどがあれば教えてください!
高級店でのマナーは間違っているとみっともなく見えてしまうことも。特にこの3つは知らない人も多いようです。さり気なくできるように、ふだんから心がけましょう。
- 着席するときは椅子の左側から
- 口を拭くときはお店のナプキンで
- ナプキンは折り目が手前
ただし、マナーにばかりとらわれてしまっては、自分も一緒にいる相手もせっかくの食事を楽しめません。あまり緊張せずに会話や食事を楽しむことが一番です。マナーは基本をおさえておけば充分です。