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【教えてセンセイ!】産婦人科医・高尾美穂先生に聞く、生理の本当!(1) 生理を早く終わらせるには? 布ナプキンやトレーニングで経血コントロールって可能なの!? 

旅行やイベント、試験の日など、生理が来て欲しくない日ってありますよね。周期を早めることは難しくても、出血期間を短くすることならできそう…と思ったことがある女子も少なくないはず。しかし本当のところはどうなのでしょうか。また、正しい生理の期間や年齢による変化などについてもギモンはいっぱい。産婦人科専門医・医学博士であり、ヨガの指導者としても活躍中の高尾美穂先生にお話を伺ってきました。

(テキスト:女子部JAPAN(・v・) さかい/イラスト:北野彩)

★関連記事:【教えてセンセイ!】産婦人科医・高尾美穂先生に聞く、生理の本当!(2) 基礎体温記録は妊活のためだけじゃない! 体を傷つけずに変化を知れる貴重なデータ

そもそも生理の周期と期間は、
どのくらいが正常と言えるの?

たけだ:1回の生理が2日で終わっちゃうという人もいれば、1週間以上という人もいますよね。また、周期も人それぞれですが、医学的に正常な日数や周期は、どれくらいなのでしょうか?

 

高尾先生:1回の生理の持続期間は、3日から7日なら全く問題ありません。周期も28日サイクルが理想だと言われていますが、それは説明がしやすいのが28日というだけ。生理が来た日から次の生理が始まる日の前日までが生理周期ですが、25日〜38日なら正常です。

 

ともい:けっこう幅が広いんですね。1回の生理が長いと不安になりますが…。

 

高尾先生:もしも1回の生理が7日を超えて続くという場合には、真っ赤な血が出るのは何日間なのかが問題になってきます。たとえば7日間真っ赤な血が出ていても、8日目以降は茶褐色の血になっていたりして、鮮血がなくなっていればそこまで心配することはないかも。だから7日目くらいのところで変化がないかな、と気にしてみるといいですね。
ただ日数だけで何かを診断をするのは難しいので、子宮に異常がないかなどを判断するには、問診やエコーなどで総合的に診ることが必要になってきます。

 

さかい:私は生理3日以降、少量になってからが長くて…、3日で終わると言う友人が羨ましいです。

 

高尾先生:ホルモンの出方の影響で、例えばスパッと終わる人、ずるずると終わる人、個人差があります。また生理の始まり方も、はじめから赤い血がスパッと出る人もいれば、徐々にはじまる人もいますよ。

 

さかい:始まり方も人それぞれなんですね!

 

ズバリ、生理は早く終わらせられる?
唯一の有効な方法とは

たけだ:旅行などの予定に合わせて、生理を早く終わらせたいっていう人が多いみたいなんですが。

 

高尾先生:自力で早く終わらせるとか、この時期に来たらいいなーとかっていう願望を叶えるのは、努力をしても正直まずムリですね。

 

ともい:じゃあ、最近よく耳にする「経血コントロール」というのは…。

 

高尾先生:もちろん、トイレに行ったら蛇口を開くような感じで、出したり止めたりできるのは理想的かもしれない。でも、なぜ性交渉を持ったことのない処女の人でも生理で経血が出てくるのかを考えてみたら、なんとなくわかるんじゃないかな。

一同:そう言われてみれば…。

高尾先生:いわゆる処女膜と呼ばれている部分は、ほんの少し強い粘膜がリング型になっているもので、最低でも小指1本分くらいは開いているんですよ。だから生まれてはじめての生理でも、血液が出てくるわけです。どれだけ周りの筋肉を鍛えても、構造的に完璧にピタッと閉じることはできないんです。

 

さかい:鼻の穴みたいなもの、ということですか(笑)!?

 

高尾先生:そうそう、多少縮めたりはできても、完全には閉じられないもの。なかには「できます!」という人もいるけれど、誰もその人の生理の状態を実際に見たことはないし、どういう判断をしているかは本人にしかわかりませんよね。少しの出血はカウントしていないのかもしれないし。

 

たけだ:たしかに。じゃあ自力で生理を早く終わらせる方法はないんですね…。

 

高尾先生:自力では無理だけど、ピルを使うことによって、出血量や生理の時期、期間をコントロールするという手段はありますよ。

 

さかい:どうしても、という場合はピルを処方してもらうのが有効なんですね。

 

子宮にも、経血コントロールにも、
布ナプキンがいいと聞いたけど…


ともい:ちまたでは布ナプキンが注目されていて、体にいいって声も耳にするんですが…。

 

高尾先生:例えば「布ナプキンが子宮を温める」なんて表現もよくされているけれども、まず子宮は温まりません! なぜかっていうと、私たちは恒温動物であって両生類みたいに変温動物じゃないから、内臓の温度はほぼ一定なんです。

 

さかい:ナプキンが当たる部分だけは温かそうな感じがしますが、それはいいことではないんですか?

 

高尾先生:例えば経血が一滴もついていないときは、コットンだから確かに温かいかもしれませんね。だけど血液がついたら? 洗った後のデニムを履いているのをイメージしてみて(笑)。同じ綿ですよ!

 

ともい:むしろ冷える…! じゃあ、使い捨てナプキンの吸収性ポリマーが体に悪いという考え方は、どうなんでしょう?

 

高尾先生:そもそも高分子吸収体のポリマーは、私たちの体に触れない部分に位置するようにナプキンは設計されているはずです。それに、ポリマー入りのナプキンを使い続けて一生を終えたおばあちゃん世代が、何か体に問題を起こして亡くなっているかというと、そうではない。特に体への大きな影響はなかったと考えられるわけです。
もし肌に優しいものを求めているなら、たとえば肌に触れる部分がオーガニックコットンでできている使い捨てナプキンでもいいかもしれませんね。もちろん、どんなものが心地いいかは人それぞれ。布にしようと使い捨てにしようと、選択は自由です。

 

ともい:「友達が作ってくれた布ナプキンを汚さないように意識していたら経血を止められるようになった!」という声も聞いたことがあるのですが…。

 

たけだ:もしかして、汚したくないから、頻繁にお手洗いに行くようになったということもあるかも?

 

高尾先生:そうかもしれない。もしそんなふうに「経血コントロールはできる」という人がいたとしても、それを自分ができないからって気にする必要は全くないですよ。

 

年齢を重ねたら、
生理期間は短くなる? 経血の量も減る?

たけだ:生理の日数は、年齢を重ねるにつれて減っていくものなんでしょうか?

 

高尾先生:そもそも、赤ちゃんができたときのために準備された子宮の内膜が、使われずに出てくるのが生理の血。だから妊娠出産に最適とされる35歳くらいまでの世代は、準備される内膜が厚くなるので出る量は多いはずなんです。

 

さかい:じゃあアラフォーになってから減ってくるのは心配いらないということですね。

 

高尾先生:そう、自然の変化としては30代後半くらいからは減っていくんです。それは年齢とともにエストロゲンとプロゲステロンというホルモンの分泌が減っていくからで、すごく自然な流れ。だからちゃんと出てるときは、本当は喜んでほしい。

 

たけだ:逆に増えてきた!なんて声も聞きます。

 

高尾先生:出血量を増やす大きな原因に、子宮筋腫があります。子宮筋腫は小さなものも含めると77%の女性にできる良性のもの。40歳を超えると子宮筋腫ができやすくなってくるのも事実です。出血量が増えたという人はもしかしたら筋腫などの病気があるのかもしれないので、婦人科を受診することをおすすめします。

 

自然な変化に戸惑わないで
正しい知識で体と向き合うべし

そもそも生理について「根拠のないウワサのようなものに惑わされてしまう人や、ちょっとした変化で『異常なんじゃないか』とむやみに不安がる人も多い」と高尾先生。生理の正しい知識を身につけることで、惑わされたり、不安になったり、モヤモヤとする時間を減らすことができます。
今回お聞きしたように、周期や期間、終わり方には個人差や年齢差があり、なおかつ自力では生理を早く終わらせることはできない!ということは、頭に入れておくべきですね。

次回は「自分の生理」をもっとよく知るためには、基礎体温の記録がおすすめ!というお話をお伝えします。基礎体温の記録がどんな理由で役に立つかがわかれば、妊活中でなくても毎朝測ってみたくなりますよ。

【教えてセンセイ!】産婦人科医・高尾美穂先生に聞く、生理の本当!(2) 基礎体温記録は妊活のためだけじゃない! 体を傷つけずに変化を知れる貴重なデータ

<教えてくれたセンセイ>

産婦人科専門医・医学博士・婦人科スポーツドクター/イーク表参道 副院長
高尾美穂 先生
東京慈恵会医科大学大学院修了後、慈恵医大病院 産婦人科助教、東京労災病院 女性総合外来などを経て現在イーク表参道 副院長を務める。大学病院で学び実践してきた西洋医学をベースに、ヨガ、アンチエイジング医学、漢方をはじめとした東洋医学、栄養学、スポーツ医学を総合的多角的に用い、女性がよりよく歳を重ねていけるよう様々な角度からサポートすることをライフワークとしている。
オフィシャルサイト http://www.mihotakao.jp/

 

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